サイパンの文化・歴史

歴史

サイパン島にはチャモロ人とカロリニアン人の２つの先住民族がいます。チャモロ人は東南アジア方面から、カロリニアン人はカロリン諸島から渡って来たとされています。
ミクロネシアと呼ばれる地域には古代から文明が栄えていましたが、文字を持たなかったために、歴史に残る最も古い記録は16世紀の1521年、ポルトガル人マゼランが率いるスペインの探検隊がマリアナ諸島を発見した時です。 この後、ヤップ島、パラオ島、ポナペ島等にヨーロッパ人が次々と上陸を開始し、植民地争奪の的となり、1565年にスペインが正式にマリアナ諸島領有を宣言し、300年以上にわたってスペイン統治による植民地時代が始まりました。

19世紀後半の1898年にはアメリカ・スペイン戦争で敗れたスペインはマリアナ諸島をドイツに売却しました。ここから15年間ドイツ統治時代になります。
次にミクロネシア諸島を統治下に置いたのが日本です。1914年に 第一次大戦が勃発し、ドイツ領を日本が占領し、第一次世界大戦終結後、30年にわたる日本委任統治時代が始まりました。当時は3万人近い日本人が移住し、市民生活を送っていました。

日本統治時代には「南洋興発株式会社」がサイパン、ロタ、テニアンをアジア最大の製糖産地として発展させました。1941年に太平洋戦争が勃発し、1944年アメリカ軍はサイパン島に上陸を開始し、１ヵ月と経たずに陥落。この地が日米の激戦地となり、島民を巻き込み悲惨な史実を残しました。
1944年７月以来、サイパン島は連合国の一国であるアメリカ軍の軍政下に置かれましたが、1947年に国際連合の信託統治領「太平洋諸島信託統治領（施政権者：アメリカ合衆国）となりました。 1986年に国連信託統治終了となり、北マリアナ諸島がアメリカ自治領となり現在に至っています。こうした影響で島々の伝統的社会制度や土着文化は変化し、殆どが消えてしまいました。

【年表】

1521年：マゼランがヨーロッパ人として、初めてマリアナ諸島を発見。
1565年：スペインがサイパンの領有を宣言。以後約300年に渡りスペインの統治が続く。
1815年：カロリン諸島サタワル島から酋長アグルブ率いる一団が移住
1898年：米西戦争にスペインが敗れたためサイパンをドイツに売却。
1914年：第一次世界大戦勃発、日本が南洋諸島全体を占領。
1920年：日本の委任統治領となる。
1939年：第二次世界大戦勃発
1944年：7月以降アメリカ軍の軍政下に置かれる。
1947年：国際連合の信託統治領「太平洋諸島信託統治領」（施政権者：アメリカ合衆国）
1981年：アメリカ合衆国内の自治領である「北マリアナ諸島」としてアメリカ合衆国内に留り今日に至る。

宗教

昔は島・民族ごとに異なる宗教を信仰していましたが、17世紀、スペインのイエズス会宣教師サン・ビトレスによってカトリック教がもたらされたという歴史を経て、現在は島の住民の約75％が熱心なカトリック 教の信者だと言われています。各コミュニティ（村）には、必ず教会があり、人々の生活の基盤となっています。各村の守護聖人を記念するお祭り（フィエス タ）が村ごとに行われています。

言語

公用語は英語とチャモロ語。（主に英語）
【チャモロ語】
チャモロ語とは、古代チャモロ語にスペイン語・フィリピンのタガログ語・英語等がミックスされた言語です。ただし、サイパン島内には日本語が通じる人も多く、食事・買物ではほとんど不自由しません。

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人口・人種

現在人口約4万人、先住系チャモロ住民とカロライナ系住民。残りの人口構成は、フィリピン系、中国系、日系、ミクロネシア系、及び米国本土アメリカ系住民で構成されています。その他、東南アジアやヨーロッパ、ラテンアメリカ系の住民も少数ですが存在します。